QLC+ Custom Fixture — Kino Flo Diva-Lite 31
Updated: 2026-06*
スタジオの「ソフトライト(柔らかい面光源)」として使う Kino Flo Diva-Lite 31 LED DMX を QLC+ で制御するために、専用のフィクスチャ定義(.qxf)を用意します。この記事では、機器の情報・参照元・フィクスチャの構成・作成方法の順に解説します。
1. 機器の情報
Diva-Lite 31 LED DMX は、広い発光面から柔らかい光を出す LED パネルです。影の輪郭がやわらかい「ソフトライト」で、三点照明ではフィルライトやベースの面光源に向きます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種類 | LED ソフトパネル(面光源) |
| 色温度(CCT)レンジ | 2,500K 〜 9,900K |
| 演色性 | CRI 95 |
| 制御方式 | 有線 DMX512 / RDM、Lumen Radio 無線 DMX、本体パネル |
| 本体メニュー構成 | White メニュー+ Color メニュー ×2 |
本体メニューと DMX モードの対応
Diva-Lite 31 は本体に 3 つのメニューがあり、それぞれが DMX のパーソナリティに対応します。
- White メニュー:調光・色温度・グリーン/マゼンタの基本コントロール。
- Color メニュー 1:上記に加えて、ジェル(プリセット色)・色相(Hue Angle)・彩度(Saturation)。
- Color メニュー 2:RGB 制御で任意の色を作る。
この「メニュー=モード」の対応を理解しておくと、フィクスチャ定義のどのモードを使えばよいか迷いません。
2. 参照元
チャンネルマップは推測ではなく、Kino Flo 公式の DMX 仕様に基づいています。
| 資料 | 用途 | 入手元 |
|---|---|---|
| Kino Flo True Match Firmware 5.0 RDM — DMX Personalities | 各パーソナリティのチャンネル割り当て | kinoflo.com(Manuals / DMX Mapping) |
| Diva-Lite 21/31/41 LED DMX 取扱説明書 | 機器情報・メニュー構成 | kinoflo.com(Manuals) |
| 製品仕様(CCT・CRI・寸法) | 機器情報 | Kino Flo 製品ページ/販売店スペック |
True Match 5.0 の DMX Personalities 仕様書では、Diva-Lite 31 は内部モデル ID 上「Diva 31」として扱われています。仕様書はファームウェア更新で改訂されるため、運用前に最新版の確認を推奨します。
3. カスタムフィクスチャの構成
チャンネル定義(共通)
| チャンネル名 | QLC+ グループ/プリセット | 値域 | 機能 |
|---|---|---|---|
| Dimmer | Intensity / Master Dimmer | 0–255 | 調光(消灯→全開) |
| Color Temperature (CCT) | Colour | 0–255 | 色温度 2,500K→9,900K |
| Green-Magenta | Colour | 区分あり | グリーン/マゼンタ補正 |
| Gel | Colour | 0–255 | ジェル(プリセット色)選択 |
| Hue Angle | Colour | 0–255 | 色相 0–360° |
| Saturation | Colour | 0–255 | 彩度 0–100% |
| Red / Green / Blue | Intensity / Red・Green・Blue | 0–255 | 各色の強度 |
Green-Magenta の値の区分(非線形)
中央付近にニュートラル帯があり、ARRI とは区分の数値が異なる点に注意します。
| 値 | 状態 |
|---|---|
| 0–11 | ニュートラル |
| 12–22 | フルマゼンタ |
| 23–121 | マゼンタ 99M→1M |
| 122–133 | ニュートラル |
| 134–232 | グリーン 1G→99G |
| 233–243 | フルグリーン |
| 244–255 | ニュートラル |
RGB モード(下記 P3)では、色温度(CCT)チャンネルが白色点の基準として働きます。RGB と CCT を組み合わせて色を作る構成です。
モード構成(8bit)
本体の 3 メニューに対応する主要な 8bit パーソナリティを実装します(数字は DMX チャンネル番号)。
| DMX ch | P1 CCT / White (3) | P2 CCT + Gel/Hue/Sat (6) | P3 CCT + RGB (6) |
|---|---|---|---|
| 1 | Dimmer | Dimmer | Dimmer |
| 2 | CCT | CCT | CCT |
| 3 | Green-Magenta | Green-Magenta | Green-Magenta |
| 4 | Gel | Red | |
| 5 | Hue Angle | Green | |
| 6 | Saturation | Blue |
初学者向けの運用では、白色だけを扱う P1(CCT / White・3ch) が最もシンプルです。色相・彩度やプリセット色まで使う場合は P2、RGB で自由に色を作る場合は P3 を選びます。
より高い分解能が必要な場合、仕様書には 16bit 版のパーソナリティ(CCT 16bit、RGB 16bit など)もあります。基本のフェーダー操作では 8bit で十分です。
4. カスタムフィクスチャの作成方法
2 通りの方法があります。配布済みの .qxf をそのまま導入する方法(方法 A)と、QLC+ の Fixture Definition Editor でゼロから作る方法(方法 B)です。
方法 A:配布済みの .qxf を導入する
ダウンロード:
Kino-Flo-Diva-Lite-31-LED-DMX.qxf(リンクを右クリック →「リンク先を保存」)
- 配布された
Kino-Flo-Diva-Lite-31-LED-DMX.qxfをコピーする。 - 下表の ユーザーフィクスチャフォルダ に置く。
- QLC+ を再起動する。
- Fixtures タブで器具を追加する画面に、メーカー「Kino Flo」→モデル「Diva-Lite 31 LED DMX」が表示される。
| OS | ユーザーフィクスチャフォルダ |
|---|---|
| Windows | C:\Users\{ユーザー名}\QLC+\Fixtures |
| macOS | $HOME/Library/Application Support/QLC+/Fixtures |
| Linux | $HOME/.qlcplus/fixtures |
注意:QLC+ のシステムフィクスチャフォルダには保存しないでください。また
Fixturesmap.xmlは編集しないでください。メーカー名のサブフォルダを作る必要はなく、Fixturesフォルダ直下に.qxfを置きます。
方法 B:Fixture Definition Editor で一から作る
QLC+ 本体とは別アプリの「Fixture Definition Editor」を使います。
- Fixture Definition Editor を起動する。
- General で Manufacturer に
Kino Flo、Model にDiva-Lite 31 LED DMX、Type にColor Changerを入力する。 - Channels で「+」を押し、上記「チャンネル定義」の表に従って各チャンネルを追加する。
- 単純な調光・RGB は Preset(Master Dimmer / Red / Green / Blue)を選ぶと色付きで扱いやすい。
- CCT・Green-Magenta・Gel・Hue Angle・Saturation は Preset を使わず、Group を
Colourにして Capability(Min/Max と説明)を手入力する。
- Modes で「+」を押して P1 / P2 / P3 の 3 モードを追加し、利用可能チャンネルから DMX 順にモードへ登録する(登録順=DMX チャンネル順)。
- Physical に物理情報(任意)を入力する。
- 保存する。保存ダイアログは自動的にユーザーフィクスチャフォルダを開く。
- QLC+ 本体を再起動して反映する。
編集・追加のたびに QLC+ の再起動が必要です。反映されない場合は保存先フォルダが正しいか、再起動したかを確認してください。
確認・差し替え事項
- 本体メニュー(White / Color1 / Color2)と、定義で使うモード(P1 / P2 / P3)を一致させる。
- Physical(重量・寸法・消費電力)の数値は参考値です。教材に数値を載せる場合は実機スペックで上書きする。
- 1 台でフェーダー動作を検証してから、複数台へ展開する。
